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古い考えから脱却できない

旧態依然とした古い考え方や発想は、組織の発展を阻む大きな要因になりかねないものです。したがって、管理職が「古い考えを脱却できない」という状況は絶対に避けたいところです。
社歴の長い管理職がとらわれがちな価値観の変革には、次のような意識が重要です。

  • 新しい自由な発想を否定しない
  • いつまでも同じやり方では勝てないと知る
  • 成功したら、なぜ成功したのか要因を探る
  • 積極的にネットワークを広げることで、客観的視点を持つ

ここでは、D社を例に解説していきましょう。

創業当時の価値観の転換

設立10周年をむかえたD社では、いわゆる「論より行動」という価値観が尊ばれたため、これによって大きな無駄を生み出していました。

創業から目覚しい躍進を遂げ、この急成長を支えてきたのは、ベンチャー企業らしいフットワークの軽さの源である、「論より行動」という考え方を重んじる行動力のある社員たちでした。

ところが、組織が拡大した結果、行動が先行することで、やり直しが多く、非常に無駄の多い組織となってしまっていました。この先も安定的な成長を継続していくためにも、また経営的な観点からも、「管理職の戦略的な視点の育成」が最大の急務となっていました。

さて、このような事態に陥ってしまった原因は、創業当時の価値観が継承されてきたことにあると考えられます。つまり、古い考え方から脱却できずにきてしまった、ということです。

過去の成功体験を引きずり続ける

「論より行動」という価値観そのものに問題があるというわけではなく、また、この考え方自体は決して間違ったものとは言えません。ただ、状況の変化に対応することを怠ってしまったことにこそ原因があると言えます。

創業当初は、この「論より行動」=「考える前にまず行動する」というフットワークの軽さが功を奏し、会社の発展に貢献しました。

しかし、会社の規模が大きくなると、フットワーク重視では対応し切れなくなってしまいます。ここを見落としたのが問題だったのです。

この「論より行動」という価値観が社内に定着し、脈々と受け継がれてきた原因は、ほかでもない創業当時から会社を支えてきた、いまの管理職にあったのです。

彼らは組織が大きくなっているにも関わらず、創業当時と同じように「行動重視」で動いていました。しかしながら、彼らは素晴らしい行動力を持っている反面、計画性に欠けていたため、直前になって方針転換をすることが頻繁にありました。こうしたことから、「やり直し」「修正」「訂正」といった無駄な工数が発生したり、最悪の場合、プロジェクトなどの中止・延期といったこともあり、関係者に混乱を与えることもありました。

会社の成長・時代にあわせた事業戦略を

この状況を打破するための解決策は、戦略的かつ定量的な考え方を身につけることが最も効果的です。

管理職の計画性の欠如によって生じる無駄な投資や混乱を避けるには、戦略的視点の重要性の認知を高めなければなりません。このD社の管理職の場合は、「戦略的なものの見方」という点について、知識としては理解している(頭ではわかっている)ものの、体で覚えていなかったと言えます。

そこで、管理職研修では、「頭で理解する」ことと「実践する」ことの反復を繰り返し、仕事に関わる物事を戦略的な視点で捉える習慣化を行ないました。さらに、戦略予測の精度を高めることを目的に、すべてを「数字で検証する」という定量的思考について、繰り返し実践することで強化・定着を行ないました。

その結果、D社では明らかに「やり直し」が減り、無駄な投資が次第に減少していきました。

それまで管理職が計画を立てるときは、自分が得意とする視点に偏る傾向があり、広い視野に立った多角的な分析ができていないことが多くありました。

ところが、研修が終わってみると、彼らは数字を使ったコスト管理や、将来予測、マーケティングのフレームワークの視点から分析するようになりました。

しかも、計画を立案したうえで、実行(行動)に移すことができるようになりました。つまり、「論より行動」の正反対の発想です。これによって、無計画で意味のない投資が減り、関係者に混乱を与えることも次第になくなっていきました。

 
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